
「たつ」という言葉には、「つながりをなくす」という意味があります。
しかし、「何とのつながりを、どのようにしてなくすのか。どのような状態にするのか。」によって、使うべき漢字が変わってきます。
そこでこの記事では、日頃何気なく使っている断つ・絶つ・裁つの意味と違い・漢字の使い分けについてまとめました。
断つの意味・使い方
「断つ」は、
- 続いているものを切り離す
- 関係を終わらせる
- 何かを制限する
という意味で使われます。
一つ目の意味は、物を切り離したり、行き来をできなくしたりする際に使われます。
ただし、紙や布に対して使うことはほとんどありません。
また、二つ目の意味では、永久的につながりをなくすのではなく、その気になればつなげたり再開したりできる場合に使われることが多いです。
三つ目の意味は、願掛けなど何らかの望みの成就をかけて、嗜好品の摂取や行動の制限を行う際に使われます。
- 土砂崩れで、下山ルートが断たれた。
- A国との国交を断つ。
- メタボになりたくないので、酒を断っている。
絶つの意味・使い方
「絶つ」には、「縁を切る・永遠に終わらせる」という意味があります。
物理的に何かを切ったりするのではなく、比喩的な表現で使われるのが特徴です。
また、「絶った」ものは修復ができず、二度とつながらない状況になります。
特に例文の二つ目では、叔父さんの消息は不明であるものの、絶望的であるニュアンスが伝わってきます。
- 不倫相手との関係を絶つ。
- 山で消息を絶った叔父のリュックサックが見つかった。
裁つの意味・使い方
「裁つ」は「布や紙を寸法通りに切ること」です。
ちなみに、縄や鎖などを切る際には「断つ」がつかわれます。
対象が限定されているので、比較的わかりやすいですね。
- 子供のパジャマの型紙を裁った。
- 型紙通りに布を裁ったはずなのに、袖の長さが左右で違う。
断つ・絶つ・裁つの違いは?
「断つ」と「絶つ」の違いは、関係が永遠に途絶えるかどうかにあります。
修復あるいは再開が可能であれば「断つ」、不可能であれば「絶つ」を使います。
「断つ」と「裁つ」は、切り離す対象物によって使い分ける必要があります。
紙や布であれば「裁つ」、それ以外の物であれば「断つ」を使います。
そして「連絡をたつ」という場合は、「絶つ」を使うのが良いでしょう。
連絡が取れないのが一時的であれば「断つ」でもいいような気がしますが、「連絡をたつ」=「縁を切る」という意味で使われることがほとんどです。
そのため、通常は「絶つ」を使うべきでしょう。
まとめ
- 断つは、布や紙以外の物を切断すること・行き来を途絶えさせること・一時的に関係をなくすこと・何かを制限すること。
- 絶つは、縁を切ること・永遠に終わらせること。
- 裁つは、布や紙を切ること。
布や紙を切る場合は「裁つ」を使いましょう。
「断つ」と「絶つ」の使い分けに迷ったら、修復可能かどうかで判断すれば間違えにくいですよ。