
「さす」という言葉にはさまざまな意味があります。
日本語では、表意文字である漢字でその意味を使い分けますが、「指す」「差す」「挿す」のどれを使うかで迷うことも多いと思います。
そこでこの記事では、混乱しやすい3つの指す・差す・挿すの違いと使い分けについてまとめました。
指すの意味・使い方
「指す」は、「指などで物や方向を示す。指摘する。将棋をする。」ことです。
主に指を使う動作に使われますが、二つ目の意味のように抽象的なことを意味する際にも使われます。
- 時計の針が12時ちょうどを指している。
- この「that」が何を指しているのか答えなさい。
- 将来の夢は、孫と一緒に将棋を指すことだ。
差すの意味・使い方
「差す」には、「はさむ。あらわれる。入れる。」という意味があります。
また、「かざす」という意味で使われることもあります。
こちらは、指を使わずにできる行為に使われることが多いです。
- 刀を腰に差す。
- 雲のすき間から日が差してきた。
- コンセントを差す。
- 日差しが強いので、日傘を差した。
挿すの意味・使い方
「挿す」は、「細長いものを物の間に入れる」ことです。
「差す」の3つ目の意味とほぼ同じ意味で使われることが多いです。
「挿入」という言葉で置き換えると、わかりやすいです。
- 花瓶に花を挿す。
- かんざしの挿し方が分からない。
指す・差す・挿すの違いは?
「指す」は、指などで何かを示すときに使います。
そのほか、抽象的なものをあらわすときや将棋をするときも「指す」を使います。
「差す」は、「はさむ・あらわれる・いれる・かざす」などさまざまな意味を持ちます。
ただし、指を使わなくてもできる動作がほとんどです。
「挿す」は、「差す」の3つ目の意味とほとんど同じ使い方をします。
ただし、「差す」のほかの意味で使われることはないので、互換性はほとんどありません。
「指をさす」は、まさに指を使う行為なので「指す」を使うのが正しいですが、「指を指す」ではややこしくなるので「さす」と平仮名表記されることが多いです。
ただし、指を物理的にどこかに入れる場合は「差す」あるいは「挿す」を使うことになります。
例:子供が、いきなりケーキに指を差(挿)した!
まとめ
- 指すは、指を使って方向や物を示すこと。指摘する・将棋をするという意味もある。
- 差すは、はさむ・あらわれる・いれる・かざすなどの意味を持つ。
- 挿すは、細いものを物の間に入れること。
指を使う動作はほとんど「指す」で大丈夫ですが、最後の例文のように例外もあるので注意しましょう。