
豊かな自然をはぐくむ水の流れ、「かわ」。
オタマジャクシなどがいる小さな水の流れから、時には氾濫を起こす大きな流れまで、「かわ」にはさまざまな種類があります。
ところで、「かわ」には「川」と「河」がありますが、これらの違いは何でしょう。
また、「河川」はどのような場合に使うのでしょうか。
この記事では、身近な川・河・河川の違いについて調べました。
川とは?
「川」は、「雨水や湧水など、天然の水が流れていく場所」です。
中国では「川」=「溝」という意味があるそうです。
日本では、流水量や幅など規模の大小にかかわらず使われ、「〇〇川」という名称でも使われます。
- この川は、とても流れが速い。
- 信濃川の長さは367kmで、日本で最も長い。
河とは?
「河」は、「スケールの大きい川」です。
中国では「河」=「黄河」を意味するそうです。
また一説によると、河は川の50倍ほどの規模のものを指すとされています。
日本では、河が水が流れている川そのものを指すことは少なく、壮大な流れをイメージする物に対して使われることが多いです。
- 黄河の長さは5,464kmもあるが、長江の長さはそれを上回る6,380kmだ。
- 大河ドラマにふさわしい壮大な物語だ。
河川とは?
「河川」は「大小すべての川の総称」です。
川や河の複数形にあたる言葉なので、ひとつひとつの川の固有名詞に使われることはありません。
また、川や河に比べて抽象的な表現になります。
そのほか、「河川」は公的機関の部署名や、川の等級を表す際に使われることもあります。
- 大雨警報が出ているので、河川の氾濫にご注意ください。
- 山に降り注いだ雨は、河川から海へと流れていく。
- 河川には、「一級河川」「二級河川」「準用河川」「普通河川」がある。
川・河・河川の違い
「川」は比較的小さな水の流れ、「河」は大きな水の流れですが、日本では明確な違いはありません。
中国では「河」=「黄河」の意味で使われることもありますが、日本では「河」が河川名に使われることはなく、壮大な流れをイメージする物に使われることが多いです。
一方、「河川」は「川」や「河」の総称で、「川」「河」の複数形としても使われます。
また、「川」や「河」より抽象的な場面で使われることが多いです。
まとめ
- 川は、雨水や湧水がつくる水の流れ。規模は小さめ。
- 河は、スケールの大きな水の流れ。黄河を意味することもある。
- 河川は、川と河の総称。抽象的な概念を表す言葉。
日本では「川」を使うのが一般的なので、迷ったら川を使いましょう。
そして、より大きな流れを表したい場合は「河」、複数の川や河を表現したい場合は「河川」を使えば、十中八九大丈夫です。