
法律にしばられない「事実婚」や「内縁」や「同棲」って、何だかちょっと自由な感じであこがれませんか。
ところで、「事実婚」「内縁」「同棲」って何が違うのでしょうか?
一緒に暮らす年数で呼び方が変わったりするのでしょうか?
今回は、意外と誤解の多い事実婚・内縁・同棲の違いについて調べてみました。
事実婚とは?
事実婚とは「法律婚をしていない婚姻関係」です。
ちなみに、法律婚には婚姻届の提出と受理が必要です。
事実婚は、主観的には
- 互いに婚姻意思があること
- 共同生活をしていること
があれば認められます。
一方で、第三者から見た場合は
- 親族や仕事先などで社会的に夫婦として扱われている
- 認知した子どもがいる
- 同居している
- 住民票が一緒
- 家計が一緒
といった事実があると認められやすくなります。
住民票を一緒にする場合、世帯主が男性であればパートナーとの続柄を「同居人」ではなく「妻(未届)」とすれば、夫婦としての同居ということを明らかにできます。
ただし、このような届出が認められるか否かは自治体ごとに異なるようなので、事前に問い合わせた方が無難です。
届出がないだけで事実上夫婦なので、扶助義務や日常家事債務の連帯責任、財産分与、貞操義務などが発生します。
内縁とは?
内縁は「法律婚をしていない婚姻関係」、つまり事実婚と同じです。
法律や報道関係では「内縁」という言葉が使われることが多いですが、若干暗いイメージがあるので最近は「事実婚」という言葉を使う方が多いようです。
そういう意味では、内縁は他称、事実婚は自称、と考えるといいかもしれません。
同棲とは?
同棲は「婚姻関係のない男女が一緒に暮らすこと」です。
とはいえ、ルームシェアなどは同棲に含まれません。
「3年同棲すれば内縁になる」という話もありますが、婚姻意思がなければ、何年一緒に暮らしても「同棲」です。
ただし、事実婚の項で述べたように、客観的に夫婦と同じような生活をしている場合には、裁判などで争った時に「内縁」とみなされる可能性があります。
事実婚・内縁・同棲の違い
事実婚と内縁は同じもので、法律婚をしていない婚姻関係です。
同棲はあくまで同居です。
婚姻意思があって同居していれば、同居年数に関係なく「事実婚」あるいは「内縁」となります。
一方で、何年同居をしていても、婚姻意思がなく夫婦としての実態もなければ「同棲」で、「事実婚」や「内縁」になることはほとんどありません。
まとめ
- 事実婚は、法律婚をしていない婚姻関係。内縁と同じ。
- 内縁は、法律婚をしていない婚姻関係。事実婚と同じ。
- 同棲は、婚姻関係のない男女が一緒に暮らすこと。同居年数が長くても婚姻意思がなければ事実婚あるいは内縁となることはない。
最近は事実婚を選ぶ人達も増えてきていますし、法律上の違いも少なくなってきています。
多くの人が自由に婚姻方法を選べる時代が来るといいですね。