
世界の三大映画祭といえば、カンヌ・ベルリン・ベネチアの国際映画祭ですよね。
近年は、日本の作品も受賞することがあるので、興味のある方も多いのではないでしょうか。
ところでこの3つの映画祭、何が違うのでしょうか。
どのような作品が受賞しやすいのでしょうか。
そこでこの記事では、3つの映画祭「カンヌ・ベルリン・ベネチア」の特徴と違い・受賞作品の傾向を調べてみました。
カンヌ国際映画祭とは?
カンヌ国際映画祭は、フランスで毎年5月に開催される映画祭です。
映画祭の中でも抜群の知名度・影響力のある存在として知られています。
最高賞は「パルムドール」です。
世界の三大マーケットにも数えられる「国際見本市」が併設されるのが特徴で、世界中の映画関係者が数千人規模で集まるそうです。
受賞する作品はどれも完成度が高く、文芸的なものが多いですが、必ずしもハッピーエンドではなく、玄人受けする作品のほうが高く評価される傾向があるようです。
2018年には、是枝裕和監督の「万引き家族」がパルムドールを受賞しています。
ベルリン国際映画祭とは?
ベルリン国際映画祭は、ドイツで毎年2月に開催される映画祭です。
最高賞は「金熊賞」です。
大都市ベルリンで開催されるため、3つの映画祭の中ではもっとも来場者が多いそうです。
ベルリン国際映画祭の特徴は、短編映画専門の部門があることです。
また近年は、新人映画監督の発掘にも積極的だということです。
社会派作品や哲学的作品が好まれるようですが、2002年には宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」がコンペティション部門で金熊賞を受賞しています。
ベネチア国際映画祭とは?
ベネチア国際映画祭は、イタリアで毎年8月下旬から9月上旬にかけて開催される映画祭です。
3つの映画祭の中でもっとも歴史が長く、最高賞は「金獅子賞」です。
ベネチア国際映画祭では、国ごとに出展ブースが設けられるのが特徴です。
映画は2時間程度の長編作品が多く、最近はハリウッド作品も数多く取り上げられています。
ベネチア国際映画祭は、もともと美術展覧会の映画部門としてスタートしているためか、芸術性の高い作品が高く評価されます。
1997年には、北野武監督の「HANA-BI」が金獅子賞を受賞しています。
カンヌ・ベルリン・ベネチアの違い
各映画祭の違いを、表にまとめました。
カンヌ | ベルリン | ベネチア | |
---|---|---|---|
開催国 | フランス | ドイツ | イタリア |
開催月 | 5月 | 2月 | 8月下旬~9月上旬 |
最高賞 | パルムドール | 金熊賞 | 金獅子賞 |
評価されやすい 作品 |
完成度の高い作品 文芸的な作品 玄人好みの作品 |
社会派作品 哲学的な作品 |
芸術性の高い作品 |
各映画祭で評価されやすい作品がまったく違うからこそ、それぞれの映画祭が成り立っているのかもしれませんね。
まとめ
- カンヌ国際映画祭は、通好みの映画が評価される映画祭。最高賞はパルムドール。
- ベルリン国際映画祭は、深く考えさせられる社会派映画が評価される映画祭。最高賞は金熊賞。
- ベネチア国際映画祭は、芸術面ですぐれている映画が評価される映画祭。最高賞は金獅子賞。
各映画祭で評価されやすい作品の違いを理解しておくと、映画を選ぶ際に役に立つかもしれませんね。