
芥川賞と直木賞。
いつも同じ時期に発表されるので、「何がどう違うのかよくわからない」と思っている人も多いでしょう。
実は、芥川賞と直木賞は創設者が同じで、兄弟のような賞なのです。
そこでこの記事では、芥川賞と直木賞の違い、そして「格」について調べてみました。
芥川賞とは?
芥川賞の正式名称は「芥川龍之介賞」です。
昭和10年(1935年)、当時の文藝春秋社の社長だった菊池寛氏によって、直木賞と同時に創設されました。
芥川龍之介は、文藝春秋の発展に貢献した純文学者の一人です。
菊池寛氏はその功績をたたえ、芥川の名を冠した賞を創設したそうです。
芥川賞は、雑誌に発表された新進作家による純文学の中・短編作品の中から選ばれるとされています。
選考会は毎年7月と1月に行われ、受賞作がないこともあります。
ちなみに、純文学とは文章の美しさなど芸術性に重きを置く文学です。
直木賞とは?
直木賞の正式名称は「直木三十五賞」です。
前述の通り、芥川賞と同時に創設された賞です。
直木三十五も文藝春秋の発展に貢献した小説家の一人ですが、大衆小説を得意とし、脚本家・映画監督でもありました。
直木賞の対象は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)となっています。
選考会は、芥川賞と同じ7月と1月です。
こちらも、受賞作なしになることが、しばしばあります。
芥川賞と直木賞の違い「どっちが格上?」
芥川賞と直木賞では、「選考対象となる作品の分野」「作家のキャリア」「作品の長さ」に違いがあります。
そのため、「どちらが格上」という比較はできません。
また、芥川賞と直木賞のW受賞はできないことになっています。
どちらかの受賞が決まった時点で、他方の受賞対象から外されるというルールがあるからです。
なお、芥川賞も直木賞も、公募の賞ではありません。
候補となるためには、雑誌に掲載、あるいは単行本として発行されなければなりません。
まとめ
- 芥川賞は、新進作家による純文学の中・短編作品の中から選ばれる。作品は、雑誌に掲載されたものに限られる。
- 直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)の中から選ばれる。
芥川賞と直木賞は、「どちらが格上」という比較はできませんが、いずれも権威のある賞であることには違いがありません。
受賞作品は映画化されているものも多いので、「本はちょっと……」という方は、映像化されたものを楽しむのもいいかもしれません。